スペイン長期学生ビザ申請方法(細かく解説!)

本記事では、スペインの長期学生ビザの申請から取得までの流れを、筆者の体験を踏まえて詳しく説明します!

長期学生ビザとは

スペインの長期学生ビザ(Estudiante Visa)は、6か月以上スペインで学ぶ予定の外国人が必要とするビザです。このビザがあれば、滞在中に勉強したり、場合によってはインターンシップやパートタイムの仕事(条件付きで)をすることができます。

申請が必要な人:
スペインでフルタイムまたは一定時間以上の学習プログラム(大学、語学学校、専門学校など)に登録していて、6ヶ月以上スペインに滞在予定の人

申請には、入学許可書、資金証明(生活費をまかなえることの証明)、滞在中の保険、無犯罪証明書などが必要です。ビザは自国のスペイン大使館または領事館で申請し、現地到着後に学生カード(TIE)の申請が求められます。

必要書類

長期学生ビザを申請する際には、様々な書類が必要です。必要な書類は随時変わり得るので、申請時には必ずご自分でもスペイン大使館のホームページでご確認ください。また、あくまで筆者の経験をもとにした記事となっておりますので、少しでも不明点がある場合は直接大使館にお問い合わせください。

しかしそうは言っても大使館からは、予約対応のメール以外はメールにも電話にも応答がないと思います…。筆者の場合はそうでした。ですので少しでも自分が持っている情報を共有することで、誰かのためになればいいと思い書き留めています…!ご参考までに!

以下は、2024年12月現在、駐日スペイン大使館ホームページに記載されている内容です。

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1. スペイン国ビザ申請書. Each applicant must complete and sign a visa application, filling in each of its sections. If the applicant is a minor, one of their parents or a duly accredited representative must sign the application. 

2. Photograph. A recent, passport-size, colour photograph, taken against a light background, facing forward, without dark or reflective glasses, or any garments concealing the oval of the face. 

3. Valid, unexpired passport. Original and a photocopy of the page or pages of the passport that contain biometric data. The passport must be valid at least for the duration of the planned stay and contain two blank pages. Passports issued more than 10 years ago will not be accepted.   

4. Proof of acceptance for the study, training or volunteer activity or internship. Original and a copy of the document proving: 

  • Acceptance at an authorized teaching centre to carry out a full-time study programme.
  • Acceptance at a research or training centre.
  • Acceptance into a student mobility programme (in this case, the applicant must also provide proof of acceptance at a study centre, of having found accommodation with a family or at an institution, and the commitment of the organizer of the programme to bear the costs).
  • Acceptance for a non-remunerated internship on the basis of a signed agreement.
  • An agreement with the organization responsible for the volunteer programme. 

5. Proof of financial means. Original and a copy of the documents proving that the applicant (or their legal representative or the family member supporting them) has sufficient financial means to cover the expenses of the student’s stay and return, as well as the stay and return of the family members accompanying them. The minimum required amount is equivalent to 100% of Spain’s Public Multiple Effects Income Indicator (IPREM). To this amount must be added 75% of the IPREM for the first family member and 50% of the IPREM for each additional family member. If proof is provided that accommodation for the entire stay has been paid for in advance, this amount will be deducted. Foreign documents must be legalized or apostilled and, where applicable, must be submitted together with an official translation into Spanish. 

6. Health insurance. Original and a copy of the certificate accrediting the public or private health insurance contracted with an insurance entity authorized to operate in Spain. The insurance policy must cover all the risks insured by Spain’s public health system. 

If the applicant is participating in a volunteer programme, in addition to the medical insurance, they must provide a copy of the civil liability insurance policy taken out by the organization. 

7. Criminal record check certificate. Applicants of legal age who apply for a visa for a stay of more than 180 days must submit the original and a copy of the criminal record check certificate(s) issued by their country or countries of residence for the past 5 years. Foreign documents must be legalized or apostilled and, where applicable, must be submitted together with an official translation into Spanish. 

8. 健康診断書. Applicants requiring a visa for a stay of more than 180 days must submit the original and a copy of a medical certificate accrediting that they do not suffer from any disease that could cause serious repercussions for public health pursuant to the 2005 International Health Regulations. Foreign documents must be legalized or apostilled and, where applicable, must be submitted together with an official translation into Spanish. 

9. Proof of residence in the consular district. The applicant must provide proof of their legal residence in the consular district or that they are attending classes, in person, in the consular district. 

10. Proof of the representative’s identity and capacity. If the applicant is a minor, it will be necessary to submit copies of the identity document or passport of one of their parents, as well as of the document constituting proof of kinship. The originals must be shown when submitting the application. If the visa application is submitted through a representative, a copy of the identity document or passport of the representative and of the power of attorney or document accrediting representation must be submitted. The originals must be shown when submitting the application. Foreign documents must be legalized or apostilled and, where applicable, must be submitted together with an official translation into Spanish. 

11. Authorization of legal representatives. If the applicant is a minor, it will be necessary to provide the original and a copy of the parents’ or guardians’ authorization of the minor’s temporary relocation to Spain, certified by a notary, which must also name the individual who will be responsible for the minor in Spain. Foreign documents must be legalized or apostilled and, where applicable, must be submitted together with an official translation into Spanish. 未成年の渡航​同意書

12. Payment of the visa fee. The visa fee is of an amount equivalent to 80 eu​ros. For nationals of Australia, Bangladesh, Canada, the United States of America and the United Kingdom different rates are applied for reasons of reciprocity. In these cases, the amount of the fee must be consulted with the Consular Office.

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なぜ日本語でもスペイン語でもなく、英語で記載されているのか謎ですが、、、
一つずつ確認していきましょう。

スペイン国ビザ申請書

こちらからダウンロードできます。必要事項を記入し、署名をしてください。

カラー写真

最近撮ったパスポートサイズのカラー写真を用意してください。

パスポート

有効期限が滞在期間をカバーしているパスポートを用意してください。また、ビザや入国スタンプのための空白ページが少なくとも2ページは必要です。

受け入れ先学校または団体の証明書

スペインの受け入れ先教育機関等が発行した、受け入れ証明書を用意してください。学校名、代表者の署名、コース期間、週の授業時間数等が明記してあるものが望ましいです。留学生の受け入れを積極的に行っている学校なら、所定の書類が用意してある場合が多いと思います。

経済的能力の証明

申請者が、スペインでの滞在費と日本帰国費用をカバーするのに十分な経済的手段を持っていることを証明する書類とコピーを用意してください。銀行の印が押してある残高証明書が望ましいです。ご利用の銀行窓口で発行してもらえます。

最低必要額は、スペインの*IPREMに基づいて定められます。
(*IPREM:スペインで使われる指標で、公共補助金や社会的支援、最低所得の基準額として用いられるもの)

例えば、2024年12月現在のスペインのIPREMは1ヶ月で600€、1年で7200€です。よって、1年間の学生ビザを取得したい場合、日本円にして最低でも114万円の残高証明が必要ということになります。

もし日本国外の銀行等で発行した証明の場合、「文書を合法化またはアポスティーユをつけなければならず、かつスペイン語への公式翻訳とともに提出する必要がある」と記載されています。

アポスティーユ(Apostille)とは、海外で使う公文書が本物であることを証明する国際的な認証のことです。筆者は銀行口座残高証明をシンガポールで取得したため、シンガポールの弁護士事務所でアポスティーユを発行してもらいました。
*アポスティーユはハーグ条約加盟国間でのみ有効です。非加盟国では、別途大使館や領事館の認証が必要です。

公式翻訳については、筆者はネット上で完結する翻訳サービス会社を利用して作成しましたが、大使館で書類を提出した際こちらの翻訳書類は返却されました。大使館ホームページには必要書類として書いてあるものの、本当に必要なのかどうかはよくわかりません。


健康保険加入の証明

スペインの保険会社の保険証明書を用意してください。スペインに滞在する期間を全てカバーするものでなければなりません。

旅行保険のような短期的な補償(例: €30,000以上)ではなく、病院での診察、入院、手術、救急サービス、処方薬などをカバーする包括的な健康保険が求められます。

無犯罪証明書

過去5年間の居住国で発行された犯罪歴をチェックする証明書(=無犯罪証明書)の原本とコピーを用意してください。無犯罪証明書は証明を受ける本人住所地の警察本部で指紋を採取し、後日交付してもらえます。申請から交付までは1週間から10日ほどです。

5年以内に複数の国に居住していた方は、各大使館でそれぞれの国の無犯罪証明書を申請しなければなりません。
例えば筆者は、シンガポール在住時に、シンガポール警察署で過去2年間分の無犯罪証明書(Criminal record)を、在シンガポール日本国大使館で過去3〜5年間分の日本の無犯罪証明書を発行してもらいました。

大使館で国外の無犯罪証明書を取り寄せる場合は2〜3ヶ月とかなり日数がかかる場合が多いので、事前によく確認しておいてください。さらに、発行する際はアポスティーユまたは文書の合法化を頼むことを忘れないでください。

筆者はアポスティーユをつけ忘れ、気づくのが遅かったため無犯罪証明書を発行し直さなければならなくなり、渡航が1ヶ月以上遅れました^^くれぐれもお気をつけください…

健康診断書

公衆衛生に深刻な影響を与える可能性のある病気に罹患していないことを証明する診断書の原本とコピーを用意してください。健康診断書はこちらからダウンロードできます。

この診断書は、「国際衛生規則(ISR)に基づく公衆衛生上に深刻な影響を及ぼす恐れのある疾患」と「公共秩序あるいは社会の安全を害する薬物常習、重大な精神異常、猛烈な興奮状態を伴う精神疾患、譫妄、混乱による幻覚症及び精神疾患」が申請者に認められないことを証明するものです。

記入項目は医者名、医者の朱肉、病院の情報、病院印、そして申請者の個人情報だけです。具体的な検査項目や検査結果の記入欄は記載されておらず、かなり大まかな診断書だと言えます

つまり、病院によって大掛かりな健康診断をするか問診だけで終わるかが異なる、ということです。検査項目が曖昧なため、個人経営の小さい病院では受け付けてもらえないこともあります。血液検査等を含む健康診断となると予約期間や検査結果を含め日数がかかる場合がほとんどですので、事前に各病院に問い合わせておいたほうがいいでしょう。

居住証明書

住民票、マイナンバー等の居住証明書を用意してください。

筆者はシンガポール生活をしていたため日本の住民票がなく、とりあえずマイナンバーの交付カードのコピーを持参しましたが、返却されました。ですので大使館ホームページに記載はされているものの、居住証明書が本当に必要なのかはよくわかりません…。

両親の身元確認書類(申請者が未成年の場合)

(割愛)

未成年者の渡航同意書(申請者が未成年の場合)

(割愛)

申請費用

日本国籍の場合は無料です。

※スペイン行き航空券の予約確認書

大使館ホームページには記載されていませんが、渡航予定日確認のために持参した方がいいです。実際に大使館で、航空券を確認させて欲しいと職員の方に言われました。

航空券は、できるだけ日程変更可能なチケットを予約した方がいいと思います。値段は上がりますが、ビザの発給過程では何があるかわかりませんから…

申請・受け取り方法

申請予約

スペイン大使館にメールを送り、長期学生ビザ申請の事前予約を取る必要があります。

メールには、氏名、パスポート番号、希望手続き(長期学生ビザ申請)、希望する曜日を明記してください。

時期によっては予約が混み合っている場合もありますから、必要書類が揃ったらできるだけ早めに予約を確保した方がいいと思います。

メールアドレスはこちら:emb.tokio.sc@maec.es

申請は必ず本人が行わなければならず、代理申請は認められていません。
もし申請者が申請時に日本国外に住んでいる場合は、お住まいの国のスペイン大使館またはその委託業者でビザを申請できると思いますので、各自問い合わせてみてください。また、海外から申請をする場合、求められる書類は日本で申請する場合とは異なりますので、十分注意してください。

通常、審査には約1〜3か月かかります。筆者の場合、申請日から8週間後にビザの受け取りができました。審査期間は時期によって異なりますので、余裕を持って3ヶ月前には申請をしましょう

大使館ホームページにも「コースが始まる前に十分余裕を持って申請するように」と記載されています。
しかし筆者は色々なことに手間取り、コース開始日の1週間半前という絶対間に合わない時期に申請しました……が、なんとか受け入れてもらえました!汗 
皆さんはくれぐれも余裕を持って、しっかりと情報収集をして申請に望んでくださいね。

大使館での申請

予約日になったら、申請者は東京都港区六本木にある駐日スペイン大使館まで足を運んでください

当日は大使館で職員の方に必要書類を渡し、確認してもらうだけです。

予約は時間制ということもあり、待ち時間もほとんどなく30分ほどで申請は終わりました。

申請が終わった時に、職員の方に以下のことを言われました。

申請日からちょうど8週間後以降に、ビザ及びパスポートを受け取ることができる。
・受け取りができるのは月曜日・火曜日・木曜日の9時〜9時半の30分間。
・受け取りの際に、予約は必要ない。
・受け取りの際に、本人確認のため免許証または保険証が必要。
・問題がなければ大使館から連絡は一切しない(ビザ発給の通知を含む)。
・その間ビザの審査状況の問い合わせを受けても、大使館側では答えられない。

ビザ発給の知らせがないことと、受け取りが平日朝のわずか30分間だけということに驚きました。ただ、大使館の職員の方はGoogleの悪評レビューに反し、非常に物腰が柔らかい親切な方でした。

ビザの受け取り

ビザは、受け取り可能日から最大2ヶ月以内に申請者が直接駐日スペイン大使館へ受け取りに行く必要があります。

パスポートを受け取りに行ったら、ビザが貼られていることと名前や滞在期間に間違いがないかをどうか確認してください。

ここまでがスペイン長期学生ビザ申請から受け取りまでの流れです。
書類はなかなかの量ですが、前もってきちんと情報収集をして、一つずつ集めていけばきっと大丈夫ですよ^^
さて、無事スペインに入国できたら、今度はスペインの警察署でTIEというカードを申請しなければなりません。そちらについてはまた別の記事で!

*ビザ申請時は、必ず管轄のスペイン大使館の公式ウェブサイトでも確認してください。

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