赤道直下、常夏の国シンガポール。近代的な街並みの中にも熱帯植物が生い茂り、老若男女いつも前を向いて生きている。そんなエネルギー溢れる国シンガポールを徹底ガイドします!
基本情報
日本との時差
時差は−1時間。日本からのフライト時間はおよそ7時間。
気候
一年中高温多湿。年間平均気温は27℃。昼間は常に30℃超えで、強い日差しが降り注ぐ。ただし、デパートや映画館などの室内は凍えるほど寒い。雨季は11〜2月、乾季は3〜10月。乾季にも1週間に数回スコールが降るが、30分ほど待てば止む。
言語
英語・中国語。基本的にシンガポール人はバイリンガルのため、英語か中国語がわかれば不自由しない。
ただ、年配の人を中心に話されている「シングリッシュ」はなかなか聞き取ることが難しい。「シングリッシュ」とはシンガポールイングリッシュの略で、中国語の発音の特徴が強い英語のことをさす。表現もユニークで、代表例には” Can (いいよ)”、“Don’t need lah (いらないよ)” などがある。
通貨・物価
通貨: SGD(シンガポールドル)。2024年2月現在、1SGD=112JPY。両替所は、空港にはもちろん、街中にも大きい駅内を中心に多く見られる。
物価: 高め。物によって異なるが、基本日本の2〜3倍する。特にアルコール類全般、カフェ、外国系レストランは飛び抜けて高い。 例: ビール一杯 11SGD(=1200円)、コーヒーとパスタで20SGD(=2200円)
できるだけ節約したい人は、夕方のハッピーアワーや地元のホーカーセンター(*後述)を利用しましょう。
治安
極めて良好。基本的に物を盗まれたり、連れ去られたりすることはない。ホームレスを見ることもほとんどない。筆者の体感的には、日本より治安がいい。ただし油断は禁物である。
交通手段
【公共交通機関】
公共交通機関は、バスとMRT。MRTとはシンガポールの地下鉄のこと。街の至る所にMRTの駅があり、料金も最大料金2.3ドルと非常に安い。バスは、二階建てのものもあり、シンガポールの景色を楽しみながら移動できる。ただし、バス停にバスが来た時は手を挙げて乗ることを知らせないと、そのまま行ってしまうことがある。また、次の停留所を示す車内表示機がないことも多く、その場合は乗りながらGoogleマップで確認する必要がある。
MRTやバスに乗るには、EZリンクカードを駅で作ってチャージする方法と、クレジットカードで直接タッチ決済する方法がある。紙の切符はないのでご注意を。
EZリンクカードとはシンガポールの公共交通機関で利用できるIC乗車カードで、カード代金は10ドル、うち5ドルがチャージされる。駅で簡単に作れて、チャージも機械ですぐにできる。
一方クレジットカード決済は、非接触対応のVISA/MASTERであれば事前登録なしで改札やバス内の電子機器にタップするだけで乗車できる。ただし、海外発行カードは1日あたり手数料0.6ドルが加算される。
色々なデザインや形のものがある。
【タクシー】
タクシーは、配車アプリGrabをあらかじめインストールしておくと便利。日本の電話番号で登録できるので、出発前にインストールしてクレジットカードの登録まで済ませてしまうとよい。グラブの良い点は、目的地を入れた時点で値段が表示されるため、メーターの心配をする必要がない点である。また、グラブならアプリ上で入力した目的地が運転手にそのまま送られるため、言語力に不安がある人でも安心である。値段は時間によって変動するが、30分で20〜25ドル。
プラグ・電圧
シンガポールのプラグは三つ穴のBFタイプ。日本のプラグをそのままさすことはできないため、変換プラグが必要。
電圧は220-240V、周波数は50Hz。日本の電化製品をそのまま使うことはできないため、海外対応のものを持っていくか、変圧器が必要。
SIMカード
SIMカードは空港で簡単に買うことができる。カード売り場で、使用期間と値段を照らし合わせて買えば良い。ただ、現地で探すのが面倒という人は、出発前にe SIMを申し込んでおくと良い。インターネットでe SIMを予約・契約すれば、当日は設定を変換するだけで通信プランを使えるようになる。SIMカードの受け取りが不要であるため、簡単で便利である。
観光地
JEWEL(ジュエル)
チャンギ空港に到着したら、さっそく買い物が楽しめる。空港のターミナル1の到着ロビーに直結しているのは、大型ショッピングモールの「Jewel(ジュエル)」。ここには南国ならではの夏物アパレルショップ/水着屋から、カフェ、スーパー、お土産屋まで幅広いショップが立ち並んでいる。お土産屋のおすすめはBENGAWAN SOLO。シンガポール名物パイナップルタルトや、シュリンプロールが購入できる。
またジュエルの最大の見どころは、施設内に突然あらわれる高さ40メートルもの人口滝。屋内に造られた人口の滝としては世界一高く、滝の周りにはトロピカルな植物が生い茂る。入場料無料。
中心部エリア
チャンギ空港から30分ほどタクシーに乗れば、もう街の中心部。異国情緒漂うシンガポールの街並みをご紹介。
①ブギスストリート/アラブストリート
MRT駅: ブギス🟦🟩
陽気なトルコ人店主が出迎えてくれる。
ブギスストリートには、シンガポールのTシャツやトートバッグなどを売っているお土産屋が所狭しと並んでいる。いつも人で賑わっているシンガポールのショップストリート。各店は毎日10時からオープンする。
ブギスストリートから10分ほど歩けば、アラブストリートに出る。ここには、金のドームが輝くサルタン・モスクやアラブ系飲食店・雑貨屋がある。トルコ料理店「Sultan Turkish Restaurant」はどの料理も絶品で、身も心も満たされる。
徒歩圏内のブギスストリートとアラブストリートはセットで行くのがおすすめ。
②リトルインディア
MRT駅:リトル・インディア🟦🟪
シンガポールに住むインド人はこぞってここで買い物をするほどで、シンガポールにいながら本場のインドの雰囲気を楽しめる。活気溢れる通りを進むと、スリ・ヴィーラマカリアマン寺院が見えてくる。外側に装飾されたカラフルでエキゾチックなインドの神々は見どころ満載。裸足で中に入ることができる。
ムスタファセンターは24時間営業の超大型ショッピングセンターで、インドのスパイスや食品だけでなく、香水やシンガポールのお土産も他と比べて格安で購入することができる。また、インドの伝統ヘナタトゥーに挑戦するのも旅の思い出。(シンガポールの穴場スポットへスキップ)
③チャイナタウン
MRT駅:チャイナタウン🟦🟪/マックスウェル🟫
ノスタルジーな雰囲気がお好みなら、チャイナタウンがお勧め。細い道が入り組むこの街には、海南鳥飯や麺類をはじめとするローカルレストランや、お茶屋、衣料・工芸品店、土産物店、マッサージ屋などが立ち並んでいる。茶屋では、エリザベス女王2世も訪れた老舗、「Tea chapter」が有名。本格的な中国のティーセレモニーを味わえる。旅の合間にチャイナタウンでほっと一息を。
マッサージを受けたかったら、「People’s park complex」へ。このビルの3階にはいくつものこじんまりとしたマッサージ屋が並んでおり、服を着たまま手軽にマッサージが受けられる。店によりけりだが、大体30分20ドル〜とお手頃価格で心地よいマッサージが体験できる。
また、チャイナタウンのシンボルはブッダトゥースレリック寺院。煌びやかな仏教寺院で、寺院内には仏教にまつわる膨大な所蔵品も展示されている。時がたつのを忘れて仏教の世界観に浸ることができる。入場料無料。
寺院を出て大通りを左に進むと、輝くパイナップルのオブジェが。ここは「Kele Singapore」というパイナップルタルト専門店で、しっとりとした食感のタルトが大人気。可愛らしい紙袋も、お土産にぴったりだ。
kele Singapore。
④オーチャードロード
MRT駅:オーチャード🟥🟫
シンガポール随一のショッピング街、オーチャードロード。ここには、オーチャード駅に直結するIONをはじめとする、最先端ファッション・コスメなどを取り扱うショッピングモールが多く見られる。ハイブランド好きは必見。メイク用品を購入したいなら迷わずSEPHORAへ。海外発のコスメが充実しており、お気に入りのものが見つかること間違いなし。
また、IONから徒歩10分ほどの高島屋にもお土産屋が充実している。TWG、 BACHA CAFFEE、SUNNYHILLSなどは定番で、見るだけでも楽しい。
⑤クラークキー
MRT駅:クラークキー🟪/フォートカンニング🟦
リバークルーズを楽しむ。
歩き疲れたら、夜風に吹かれながらクラークキーでビールを飲もう。クラークキーは、レストラン/バースポットで、グルメやナイトライフを楽しむことができる。シンガポール川沿いの遊歩道に様々な店が軒を並べており、夜は川全体がライトアップされて幻想的な雰囲気に。
歩きながら気に入った店に立ち寄るのも粋だが、“せっかくなら豪勢なシンガポール料理が食べたい!”という人は「JUMBO Sea food」を予約しておこう。ここではシンガポール名物チリクラブや、その他海鮮・肉料理が食べられる。チリクラブを頼むときはぜひマントウ(揚げパン)も一緒に。カニを食べながら、ピリ辛ソースにディップしたマントウを口に放り込めば、幸せの極地である。
ディナーのあとはリバークルーズに乗るのもいい。輝くシンガポール川をゆったりと漂う舟の上で、大切な人との時間を過ごしては。
*平日22時、週末(金土日)22時半まで。大人28ドル/子供18ドル。
マリーナベイサンズエリア
The シンガポール! な雰囲気を味わえるマリーナベイサンズエリアは、観光客必見。輝く魅惑の世界へご招待。
奥の建物はマリーナベイサンズ。
幻想的なライトアップ。
①マーライオン公園
MRT駅:ラッフルズプレイス🟥🟩
シンガポールに来たからには見ておきたいのがマーライオン。ラッフルズ駅から10分ほど歩いて人が賑わう場所に出たら、そこがマーライオン公園だ。昼間もいいが、夜のライトアップされたマーライオンも見ものである。マーライオンの目の前にはマリーナ湾が広がっており、湾の向こう側には有名ホテル、マリーナベイサンズが佇む。
美しい景色を見ながらランチ/ディナーを楽しみたければ、「Palm Beach Seafood」や、「Jypsy One Fullerton」、「Lantern」がおすすめ。
②マリーナベイサンズ
MRT駅:ベイフロント🟦🟨
シンガポールのホテルといえばここ、マリーナベイサンズである。マリーナベイサンズには大型ショッピングモールが併設されており、ラグジュアリーな雰囲気の中ウィンドーショッピングが楽しめる。
また、モールの中にはカジノが内包されており、外国人は入場料無料・ドレスコードなしなので、気楽に入ることができる。周辺にはATM、両替所が完備。旅の思い出にいかが。
さらに、マリーナベイサンズの前では、毎晩15分間屋外噴水ショー「Spectra – A Light & Water Show」が行われており、無料でデッキから見ることができる。シンガポールの近代的なビル群を背景に、音楽・レーザーを使った迫力満点の噴水ショーを見れば、旅の高揚感も最高潮に。
*無料/毎晩2回開催。①20:00〜20:15/②21:00〜21:15 ※(金)(土)のみ③22:00〜22:15も追加開催。
③スーパーツリーグローブ
MRT駅:ガーデンズバイザベイ🟫
マリーナベイサンズから連絡橋を渡り、少し歩いたところに、ガーデンズバイザベイがある。ここは巨大な植物園で、「Cloud forest」「Flower Dome」という二つの有料室内植物園と、無料屋外植物園エリアで構成されている。
見どころは何といっても無料屋外エリア「Supertree Grove」で開催される夜のライトアップショー。壮大な音楽に合わせて、128メートルもの巨大なスーパーツリーがライトアップされる。近未来的な演出に目が釘付けになること間違いなしだ。
*入場料無料/毎晩2回開催。①19:45〜20:00 ②20:45〜21:00
セントーサエリア
シンガポール南部に位置するセントーサ島は、思いきりリゾート気分を味わうのにぴったりの場所。テーマパークで弾けるもよし、海辺でのんびり過ごすもよし。日頃の疲れを吹き飛ばそう。
光と噴水の迫力満点のショー。
*セントーサへタクシーを使わずに行くには、まずMRT駅ハーバーフロント🟪🟨に直結する「ビボシティ」というショッピングモールへ行く。そこからモールに直結している橋を歩いて渡るか、モールの3階からセントーサエキスプレスに乗車すれば良い。また、ビボシティに隣接するハーバーフロントタワーの2階からケーブルカーを利用する方法もある。
①リゾートワールドセントーサ
セントーサエキスプレス駅: インビア
リゾートワールドセントーサとは、ユニバーサルスタジオをはじめとする様々な楽しい施設の混合エリア。800種類10万匹以上の海洋生物を鑑賞できる水族館「シーアクアリウム」や、スリル満点のウォータライドに乗ったり魚と一緒に泳ぐことができる「アドベンチャー・コープ・ウォーターパーク」、イルカと触れ合うことができる「ドルフィンアイランド」など、アクティビティが目白押し。非居住者は入場料無料のカジノもあり。
また、ユニバーサルスタジオの入り口の隣にある「マレーシアンフードストリート」もおすすめ。隣国マレーシアの様々な食べ物が食べられる、見て楽しい食べて美味しいフードコートだ。
②シロソ/パラワン/タンジョンビーチ
セントーサエキスプレス駅: ビーチステーション
シャングリララサ。
セントーサの南側には、3つのビーチがある。西側から順に、シロソビーチ、パラワンビーチ、タンジョンビーチと続く、これぞ南国!のビーチ。砂浜に生えた椰子の木が揺らぐ光景に、自然と笑顔がこぼれる。真ん中に位置するパラワンビーチには小さな島があり、なんとそこはアジア大陸最南端ポイント。美しい海の上にかかる釣り橋を渡って行くことができる。
夜になると、パラワンビーチのすぐ近くの海辺でナイトショー「Wings of Time」が上映される。海をバックにプロジェクションマッピングが設置されており、レーザーアート、花火、音楽を利用した壮大な噴水ショーが始まる。息を呑む20分間をあなたも。 *17.10ドル/毎晩2回上映。 ①19:40〜20:00 ②20:40〜21:00 予約は上記サイトから可能。
③各種アトラクション
その他にも、セントーサには魅力的なアトラクションが盛りだくさん。豊かな自然の中を疾走できるゴーカート「スカイラインリュージュ」や、室内スカイダイビングが楽しめる「アイフライシンガポール」、ジャングルを超えて海へと向かう爽快ジップラインを体験できる「メガアドベンチャーシンガポール」などがあり、アトラクション好きにとっては絶好の島だ。
東部エリア
旅程に余裕があるなら、シンガポールの東エリアにも足を伸ばそう。近代的な街並みとは打って変わり、穏やかで心地よい風が吹くこの街に、きっとあなたも虜になるはず。
○カトン
MRT駅:現在建設中。バスまたはタクシーを利用。
カトンは、中国・マレー・ヨーロッパの文化が融合したプラナカン文化が息づく地域。プラナカン様式のカラフルな家々や、個性的な雑貨屋・カフェが多くあり、いつまでも歩き続けたくなる街だ。
プラナカンの家が見たい人はクーン・セン・ロードに向かおう。今も居住者がいるということで、まさに生きた文化。明るくポップな色彩は、見ているだけで楽しい気分になる。
雑貨屋のおすすめは、看板猫が店内でくつろぐ「Cat Socrates」と、各国からこだわりの雑貨/服を取り寄せている「La Tienda」。お土産を探しているつもりが、いつの間にか自分用のものばかり見てしまうほど魅力的な雑貨屋だ。
また、プラナカン料理で有名なのはスパイスとココナッツミルクのスープ麺「ラクサ」。「328 Katong Laksa」は1950年代からある老舗で、海老の出汁と辛味が効いたラクサは絶品である。一度は試す価値あり。
穴場スポット
最後に、筆者おすすめのシンガポール穴場スポットをご紹介。ローカル色が強いところにも挑戦したいという人はぜひ。
①サテーバイザベイ
MRT駅: ガーデンズバイザベイ🟫
ガーデンズバイザベイの東側にあるのが、サテーバイザベイ。ここは、東南アジアの串焼き料理「サテー」が食べられるホーカーセンター。ホーカーセンターとは、地元民が愛用する屋外フードコートのことで、レストランと比べると値段は二分の一ほどのお手軽さ。このホーカーはサテーをメインとしているが、他にも様々な海鮮料理、チャーハン、揚げ物などの店が並んでいる。色々な料理をテーブルに並べ、ビールを片手に話し込めばあなたはもうシンガポール人だ。
他のホーカーも気になるという人は、Googleマップで「hawker center」で検索してみるといい。シンガポール人の生活とは切っても切り離せないホーカー。きっと現在位置から徒歩圏内に見つかるだろう。
名物チキンライス。
③ヘナタトゥー
ヘナタトゥーとは、ヘナという葉を染料にして描くボディペイントで、インド・中東・北アフリカなどで伝統文化として親しまれてきたもの。ペイントの際に痛みは全くない。ペイントした後、30分〜1時間ほど触らず放置し、その後軽く擦って黒いインクの部分を落とせば完成。デザインは2週間ほどで消える。
ヘナタトゥーができる店はリトルインディアにいくつかあるが、おすすめは「Gooday Beautie Parlour」。店頭の写真のメニューから好きなヘナタトゥーのデザインを選ぶと、数十分でペイントしてもらえる。足首にすることも可能。日本へ帰っても、しばらくシンガポールの思い出が残っているようで嬉しい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。皆様にシンガポールの魅力が少しでも伝われば幸いです。
日本から直行便でわずか7時間。来週にでも飛行機に飛び乗ってしまいましょう。
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