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この記事は、これから初めて日本語を教えるぞ!という方に向けたものです。
初めての授業、初めての教案作り、わからないことだらけでドキドキですよね。どんな教科書があるの?教案作りはエクセル?ワード?後悔しない教案の書き方は、、?
日本語教師歴2年の筆者が、基礎日本語を教える際のおすすめの教科書・参考書と、紆余曲折してたどり着いた教案の書き方をご紹介します!
教科書・参考書について (みんなの日本語)
筆者が利用している教科書は、「みんなの日本語」という日本語教育界ではとてもメジャーな教科書です。以下にみんなの日本語の特徴をまとめました!
みんなの日本語 初級I 第2版 本冊
みんなの日本語 初級II 第2版 本冊
特徴
『みんなの日本語』は、文法を中心とした積み上げ式の教科書です。各課で新しい語彙と4つ前後の新しい文法を学びます。各課ごとに、文法を活用した書き練習(練習B)と会話練習(練習C)、文法のまとめ(練習A、文型例文)、DVD(会話)、聴解練習があります。『みんなの日本語Ⅰ』『みんなの日本語Ⅱ』は合わせて全50課で、1課分を学ぶのにかかる時間は平均4〜6時間です。仮に1週間に一回2時間半のクラスをする場合、全てを終えるのには約2年間かかります。
教科書内の練習は必要最低限のものなので、先生が噛み砕いて文法を説明し、ペアワークや追加練習を考える必要があります。ですから、学習者一人で勉強するにはみんなの日本語はあまり適していないかもしれません。ただし、汎用性が高いため、クラスで使用する場合は先生のオリジナリティが引き出せる教科書です!
教科書の種類
みんなの日本語には、語彙や練習問題などが掲載されている『本冊』の他に、語彙・文型・例文・会話、参考関連語彙などの各国語訳、文法の各国語による説明が書かれている『翻訳・文法解説』があります。『本冊』は日本語のみで書かれていますが、『翻訳・文法解説』は英語、中国語、韓国語、ポルトガル語など実に14言語の解説書が出版されています。
みんなの日本語 初級I 第2版 翻訳・文法解説 英語版
さすが長年世界中で使用されている教科書ですね!
また、『本冊』の練習に加えて、もっと文法を練習したりまとめの練習をするために、『書いて覚える文型練習帳』というものがあります。こちらの練習帳は、『本冊』の付属練習帳という位置付けですが、動詞のフォーム練習や各課で学んだ文法のまとめ問題、『本冊』ではあまり扱わない助詞の問題などもあるので、学習者の理解を深める際に非常に有効な練習帳になっています。
みんなの日本語 初級I 第2版 書いて覚える文型練習帳
他にも、各課の学習が終わったら宿題として利用できる『標準問題集』や、リスニングの練習のための『聴解タスク25』、読解教材の『初級で読めるトピック25』、作文練習のための『やさしい作文』など、さまざまな問題集が出版されています。
みんなの日本語 初級I 第2版 標準問題集
みんなの日本語初級I 第2版 聴解タスク25
みんなの日本語初級I 第2版 初級で読めるトピック25
みんなの日本語初級 第2版 やさしい作文
たくさんありますね、、、!筆者は、クラスでは『本冊』『翻訳・文法解説』→必要に応じて追加練習で『書いて覚える文型練習帳』→自宅学習で『標準問題集』という風に利用していますよ。
先生のための参考書
みんなの日本語には、日本語教師のための教え方のポイントや、より詳しい文法解説が載っている『教え方の手引き』という冊子があります。こちらは新任日本語教師には必須のアイテムです!これを読めば、導入の流れが掴みやすくなるだけでなく、生徒からの少し踏み込んだ質問も怖くなくなります。筆者も大変お世話になっています。
また、各課の新しい語彙の絵カードが付いている『絵教材CD-ROMブック』も、授業に欠かせないアイテムです。絵カードを見ながら語彙をリピートすることで、学生も視覚的に理解することができますし、導入の際にも大いに活用できます。
みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き
みんなの日本語 初級I 第2版 絵教材CD-ROMブック
先生が最初に教案を書くときにまず用意したいのは、『本冊』と『教え方の手引き』です!色々あってわからない!という方は、とりあえずこの二冊を揃えるといいですよ。
教案作成時の使用アプリについて
次は、教案作成についてです。いざ教案を作成するとなると、どのソフトを使用しようか案外迷いますよね。筆者の職場では、ExcelやWordを使っている先生もいれば手書きで教案を作成している先生もおり、方法は様々です。もちろんその人にあった教案作成方法があるのでこれが正解!というのはありませんが、筆者は「iPadで Googleドライブを利用して教案作成」を強くお勧めします!
その理由は、なんといっても視覚的に授業の流れが掴みやすいからです。筆者が日本語教師になりたてだったころは、パソコンでExcelを利用して教案を作成し、紙に印刷して重要なところにマーカーをつけて授業に挑んでいました。わざわざ印刷していたのは、パソコンでExcelを直接見るには教案の文字が小さすぎ、流れも掴みにくかったからです。しかし、段々その二度手間の時間が惜しくなり、また教案の紙の量も溜まってきてしまったので、思い切ってiPadを購入し、ソフトもExcelからGoogleドライブに変更しました。
すると、圧倒的に授業がしやすくなり、教案準備の時間も短縮されたのです。感覚的なことなので言葉で説明するのが難しいですが、おそらくiPadの画面の大きさと、手で簡単にスクロールできるところ、またGoogleドライブではカラフルに色を使えるところがポイントだったのではないかと思います。
<パソコンExcel版とiPad Googleドライブ版の教案比較>
また、Googleドライブには3つのメリットがあります。
一つ目は、完全に無料で利用できることです。WordやExcelは有料版や有効期限などがあるのに対し、Googleドライブはいつまでも無料で利用することができます。
二つ目は、もし何らかの理由でiPadが利用できなくなっても、Googleドライブのアカウントにログインすれば、どのデバイスからでも教案を見ることができることです。iPadが故障してしまった時もせっかく作った教案が消えてしまった!なんてことはありませんし、授業前にiPadの充電がなくなってしまった時も臨時でスマホからアクセスすることができるので、もしもの時に安心です。
三つ目は、ドキュメントの検索機能があることです。「この文法、どこで勉強したかな」「どんな例文があったかな、、」と、以前作った教案を振り返りたいときに、検索機能を使えばすぐに教案を探し出すことができるので非常に便利です。
以上、色々試した結果、iPadでGoogleドライブが1番!という結論に至りました。Wordも一度使ってみましたが、カラフルに色を使えるGoogleドライブの方が見やすいし、気分も上がるので、結局Googleドライブを使うようになりました。
気分があがるかどうかも意外に大事なんですよね
教案を作成する時のポイント
最後に、筆者が何度も授業をするうちに気がついた、教案を書くときのポイントをお教えします。教案作成のポイントは大きく3つです。
ポイント1
「例文や練習は出来るだけたくさん書くべし!」
教案作成時は、できるだけ多く例文や練習を書いた方がいいです。これは、クラスのレベルによって例文や練習の量を調整できるため、というのが大きな理由です。筆者が日本語教師になりたての頃は、よくできるクラスで時間が余りそうになり、内心焦りながらどうにか授業をするということがありました。「大は小を兼ねる」とはよく言ったものですが、教案もまた然りです。
授業中に焦りたくなければとにかく入念に準備です!
また、色々な例文を提示したほうが、学生にとってもその文法のイメージがしやすいと思います。使わなかった例文や練習は次回の復習に回してもいいので、無駄ということはないのです。
ポイント2
「重要なところを目立たせるべし!」
教案を書いていると、導入の仕方から例文、練習方法と、一回の授業でもかなりの情報量になります。そのため、文法の説明など重要なところは太字にしたり文字を大きくしたりと、とにかく目立たせたほうがいいです。
というのも、筆者は授業の流れや時間配分を気にしすぎて、肝心の文法の説明をあまり確認せずにクラスへ行ってしまうことがありました。ですので、1番学生に伝えなければならないことは目立たせて書いておいたほうが安心でしょう。
実は今でも時々同じ過ちを冒しています、、焦
ポイント3
「時間配分は30分ごとに書くべし!」
最後は、時間配分についてです。初めて行うレッスン内容の時は特に、どのくらい時間がかかるか分からず不安になるものです。筆者も心配性なので、初めのころはかなり細かく時間を計算して、教案に書き込んでいました。しかし、時間配分は大まかに30分ごとに設定していけば十分です。
もちろん、授業を行う前に時間を計算し、練習量や例文が十分かどうか確認することは非常に大切なことです。しかし、クラスとは生き物のようなもので、クラス間のレベルが違えばその日の学生の調子も違います。あまりに細かく時間を設定することは、その時々のクラスに合わせ、柔軟な授業をすることの妨げになります。
ある程度例文と練習が用意できたら、あとはクラスの様子を見ながら練習量を調節することが大切です。
教案の数字より学生の反応が大事です
まとめ
さあ、これで教案を書く準備は整いました!これからコツコツ、楽しい授業をするための準備をしていきましょう。
グッドラックです
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